手のかかる幼い子供がいる川田さんが、私たちを招いてもてなしてくれる。その手料理を残すことはいくらなんでもできないと初めから思っていた。せっかく久しぶりに集まった場の雰囲気を壊したくもなかった。「食べる」か「食べない」かは予め自分で作り出したルールによってしっかりと決められていて、予定以外のものを口にすることは決してなかった。「食べ物に支配されている」と栞は感じていた。カロリーや栄養成分などで食べ…
[連載]アザレアに喝采を
-
小説『アザレアに喝采を』【第6回】藤咲 えこ
「食べ物に支配されている」…自分でも気づき始めていた。普通のダイエットではなく「拒食症」という摂食障害であることに
-
小説『アザレアに喝采を』【第5回】藤咲 えこ
揚げ物の油の良い香りがする…私は、海老に付けられた衣を水で洗い流してしまった。申し訳ないのに、食べることが不安で…
-
小説『アザレアに喝采を』【第4回】藤咲 えこ
なんとなく始めたダイエットは大きな枷に... 差し入れの抹茶アイスも母の料理も食べられない!
-
小説『アザレアに喝采を』【第3回】藤咲 えこ
このまま付き合いが続けば結婚するかもと思っていた彼。なのに、あることがきっかけで気持ちが冷め…
-
小説『アザレアに喝采を』【第2回】藤咲 えこ
高校一年生の冬休みの課題は百人一首百首丸暗記。クラスの中で合格したのは…
-
小説『アザレアに喝采を』【新連載】藤咲 えこ
「やだぁ、お腹まん丸じゃないの」たわいもない一言がきっかけで…