【前回の記事を読む】飛行船は地上にはもう戻ることができない――これで彼は私とここで生きるしかない「ねえ、最高の料理って、どんなものだと思う?」艶やかな黒髪に手櫛を入れながら、しなやかな白い腕を男の体にすり寄せる女は、周囲のスタッフから玲蓮さんと呼ばれている。今はそのスタッフも状況を察してか一人もいない。玲蓮は微笑みを浮かべて、レストランの特別室の壁側に設けられた柔らかなソファに沈む酔ったスーツ姿…
[連載]13.Feb チョコレーション
-
小説『13.Feb チョコレーション』【第8回】齊藤 俊彦
「ねえ、最高の料理って、どんなものだと思う?」彼女の質問に答えてみるものの、彼女は満足してくれず……
-
小説『13.Feb チョコレーション』【第7回】齊藤 俊彦
飛行船は地上にはもう戻ることができない――これで彼は私とここで生きるしかない
-
小説『13.Feb チョコレーション』【第6回】齊藤 俊彦
彼の嘘? 嘘? 嘘? 嘘? 何の気なしにビデオレターを開くとそこに映っていたのは…
-
小説『13.Feb チョコレーション』【第5回】齊藤 俊彦
トイレから出てきた彼に続いて出てきた彼女。私は二人が目配せしたほんの一瞬を見逃さなかった。彼にしてはトイレが長かったような…
-
小説『13.Feb チョコレーション』【第4回】齊藤 俊彦
大きな瞳と艶やかな長い黒髪にやや豊満なボディ。自分にはないものを明らかに感じてしまい…
-
小説『13.Feb チョコレーション』【第3回】齊藤 俊彦
宇宙船で二人だけの空間を避け、離れたがっているのだろうか? せわしなく地上へ戻りたがる彼の寝顔に感じる恐怖。
-
小説『13.Feb チョコレーション』【第2回】齊藤 俊彦
「なんで隠していたの...着陸プログラムを設定したでしょ、内緒で」普段から彼の心の弱さをなんとなく知っていた。
-
小説『13.Feb チョコレーション』【新連載】齊藤 俊彦
天空のストロベリーファーム、外は音のない蒼空。ここには大気汚染物質も有害ウイルスも上がってこられない。