二〇一一年二月もうすぐ三月になるという寒い日。派遣会社から電話がかかってきた。「急なのですが、三月から短期でホテルの勤務をお願いできませんか?」と言う。「え、ホテルですか。」勤務地を聞くと湾岸地域にあるビジネスホテルだった。「それは、ちょっと遠いので……」と断りかけたが、今断ったら次はないかも、と思い直し思わず、「やります」と言ってしまった。「では、明日面談がありますがいいですか」と言われて行く…
[連載]お嬢様の崩壊
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小説『お嬢様の崩壊』【最終回】いけだ えいこ
遂に初めた派遣アルバイトの最中、突如足元がぐらぐらと揺れ始め… そこには目を疑う光景が広がっていた
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小説『お嬢様の崩壊』【第16回】いけだ えいこ
何枚も何枚も履歴書を書き、何度も何度も証明写真の焼き増しを注文する日々。ある日衝撃の訃報が入ってきて…
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小説『お嬢様の崩壊』【第15回】いけだ えいこ
新しい職場にすっかり慣れ楽しく仕事をしていたら突然派遣会社から連絡が…まさかの派遣切り!?
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小説『お嬢様の崩壊』【第14回】いけだ えいこ
「子どもたちが口をきかないのは私のせいだったの?」札幌一人旅から帰ってきて気付いたこと
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小説『お嬢様の崩壊』【第13回】いけだ えいこ
もうすぐ羽田空港に着くと思った途端…急に家や夫のことが思い出され足元がすーっと抜ける感覚に襲われて
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小説『お嬢様の崩壊』【第12回】いけだ えいこ
人前で大声で騒ぐなんてはしたないと思っていた「お嬢様」の崩壊!!キャーキャー叫びながらペンライトを振り続け…
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小説『お嬢様の崩壊』【第11回】いけだ えいこ
「うわー、顔が小さい。キラキラのオーラがすごい」大音量とともにステージの上からゴンドラに乗って登場!
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小説『お嬢様の崩壊』【第10回】いけだ えいこ
家でも職場でも居場所がなかったわたしを救った音楽。コンサートに当選して一泊二日の弾丸で札幌へ
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小説『お嬢様の崩壊』【第9回】いけだ えいこ
やっとずっと一緒にいたいと思える人に出会えたと思い結婚した夫。しかし結婚後バブルが崩壊して…
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小説『お嬢様の崩壊』【第8回】いけだ えいこ
家の中には子どもや夫の笑顔がなかった…いつも笑っている彼の歌う姿だけが固まった心をほぐしてくれた
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小説『お嬢様の崩壊』【第7回】いけだ えいこ
ママ友のご主人が運転する車の中で流れたDVD。若いシンガーソングライターのコンサート映像に目が離せなくなり…
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小説『お嬢様の崩壊』【第6回】いけだ えいこ
ある日仕事帰りに夫が倒れて救急車で運ばれたと勤務する銀行から電話が!吐きそうになるのをこらえながら…
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小説『お嬢様の崩壊』【第5回】いけだ えいこ
お祝い事を外のお店でしたことがなく外食を好まない夫。一年中毎日毎日メニューを考えるのが憂鬱で…
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小説『お嬢様の崩壊』【第4回】いけだ えいこ
病院の血液検査で入院が必要なレベルの極度の貧血と言われて帰った私に「お昼は何?」と聞く夫
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小説『お嬢様の崩壊』【第3回】いけだ えいこ
同級生のほとんどが腰かけで有名企業に就職し数年で寿退社。新築祝いを贈るばかりで自分に返ってくる見込みもなく…
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小説『お嬢様の崩壊』【第2回】いけだ えいこ
四十歳を過ぎてもマイホームも持たない団地妻になっているとは思わなかった…想像していたのは左ハンドルの高級車に乗って名門小学校に子供を送り迎えしている自分だった
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小説『お嬢様の崩壊』【新連載】いけだ えいこ
銀行員の夫は給料五十万円のうち生活費を八万円しか渡してくれずついに…