としおは家に戻り、落ち着いてくると、自分のとった行動が気になってきた。まさとが意地悪を言うのは今日に限ったことではない。なぜ、あんなにカーッときたのか、今にして思えば少し恥ずかしい気もする。そうするうちに、今まで忘れていた手首の痛みが戻ってきた。としおはテーブルに用意されたおやつを食べながら、はぁ……と大きくため息をついた。夜になり、布団に入って目を閉じても、昼間のことが頭から離れない。まさとの…
新着記事一覧
-
小説『べとべとべー』【第2回】わたなべ みゆき
【小説】「何も考えないで思いきり飛べ!」としおの前に突然現れたのは、羽の生えた小さな男の子
-
実用『名医が教える胃腸の守り方』【第6回】桐山 真典
便秘がひどくて1日中トイレに…見直すべき排便習慣とは?
-
エッセイ『プレナイト』【第3回】天乃 神龕
生まれたばかりの息子の足に違和感。門前払いを覚悟で病院に行くと…
-
小説『近づく果実 』【第2回】鈴木 寂静
「やりたい職業に就けた」…負の気持ちを空高く舞い上げるほどの期待感
-
小説『ラガーマン ジャッカル翔』【第2回】上山 照
大きく鳴り響くハンドガンの音…大混乱の会場で翔がとった行動
-
小説『カトリーヌと囁き森』【第3回】智佳子 サガン
悲しみで「荒涼とした冬の海のような瞳」をした若者が探し求める本とは
-
エッセイ『旅に遊んで』【第2回】吉田 昭雄
水と戯れる家族、赤い橋、秋の弱々しい木漏れ日…絵画的な幻想が漂う奈良井川
-
小説『ヒミツのレクイエム』【第7回】氷満 圭一郎
自堕落な生活を送る息子…「いいご身分だねえ」母の嫌味に思わずほくそ笑む
-
小説『ヒズミのなかの住人たち』【第3回】葉 リヒロ
「生温かいゼリー状の液体に心が包まれるような夜」に出会ったあの人との関係
-
小説『泥の中で咲け[文庫改訂版]』【第5回】松谷 美善
詐欺をはたらき続けた人物が「人生は些細なことで大きく変わる」と語るワケ
-
小説『星空の下で』【第3回】つむぐ
【小説】先輩が語りだした昔話「星砂の話って知っているか?」
-
エッセイ『繁殖犬になった華ちゃんのおはなし』【第3回】珠生 満ちる
【絵本】「ここにはいたくない!」チワワの女の子の痛切な叫び
-
小説『奥会津の人魚姫』【第5回】西田 理酉
順風満帆といっても差し支えない日々が一転。きっかけは「妻の肺がん」
-
絵本・漫画『知らない世界』【新連載】丸岡 永乃
仕事に責任とプライドを持つ、職人ヘルブラオの“こまづくり”
-
小説『見上げれば空はブルー』【第6回】EIKO
【小説】43歳、独身、中肉中背の教師の“意味不明なつぶやき”
-
エッセイ『オタ女のスピリチュアル講座 ハイヤーセルフで夢を叶える方法』【第6回】森 規巳子
「生き辛い」「抜け出せない」行き詰った時に役立つ“スピリチュアルな視点”
-
エッセイ『保健師魂は眠らない』【第2回】真秀場 弥生
「大丈夫、今日はきっと眠れるはず」胸の重圧感と息苦しさを感じた不眠の日々
-
小説『いつか海の見える街へ』【新連載】須賀 渚
「今日は縁日ね」居酒屋の女将は不愛想な客と連れだって…
-
小説『柴犬回想記 真珠湾の静寂vsワシントンD.C.の喧噪』【第2回】坂田 憲治
柴犬のケン、商社勤めの傍ら英語教授として大学の教壇に?
-
小説『ザ・総選挙』【第9回】利根川 尊徳
難色を示され続けた支出明細の提示方針だが…「我々国会議員の甘えですね」