まゆみさんや弘田さんが、すさんでいく僕に対して何かを言ってくれたようにも思うけど、僕は聞く耳を持たなかった。同じ高校に進学した中田君も、心配して家に何度も来てくれたけれど、僕は口を固く閉ざすしかなかった。たとえ、つかの間でも、この状況を忘れられることができれば、なんだってよかったんだ。そして、時だけが過ぎた。母はこの世を去った。父とは向かい合うこともなく、お葬式は形だけ、空虚で大袈裟な演出で終了…
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