【前回の記事を読む】実は、夜間頻尿は寿命を延ばすためのシグナルだ。中でもサーカディアンリズムの乱れが頻尿の背景にある。これは人間や動物が元々……

第三章 患者さんとの会話から学ぶ、夜間頻尿の正体
―年齢・季節・生活習慣からみた生体リズムと健康管理―

1.睡眠と深部体温のリズムが導く夜間頻尿のメカニズム
―若年者と高齢者の違いからみる、生体リズムと排尿の関係―

1)睡眠パターンに関する若年者と高齢者の比較

まず、脳波の検査で得られる「睡眠パターン」は、ノンレム睡眠とレム睡眠があります。

ノンレム睡眠は、睡眠の深さによって4段階(Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ・Ⅳ)に分けられる睡眠段階のひとつで、脳が休息している状態です。レム睡眠は急速眼球運動を特徴とし、夢を見る浅い睡眠で、脳は活動しています。

若年者の睡眠パターン

若年者の睡眠には、次のような特徴があります。

・深いノンレム睡眠(段階Ⅲ・Ⅳ)が睡眠の前半に集中し、脳や体を効率よく休めます。呼気は少なめで発汗量は多いと言われています。

・レム睡眠は約90分周期で現れ、睡眠後半に時間が長くなり、記憶の整理、精神的な回復に重要で、心身の覚醒準備をします。呼吸は早くて呼気は多く、発汗は少なめと言われています。

・浅いノンレム睡眠(段階Ⅰ・Ⅱ)は朝方に増え、起きる準備状態を作ります。呼気はやや多めで発汗はやや少なめです。

・睡眠全体が安定した睡眠サイクルのリズムを持ち、質の高い休息が得られます。

若年者の睡眠は、最初のサイクルで深いノンレム睡眠が長く、レム睡眠が短いのが特徴です。時間が経つにつれ、浅いノンレム睡眠になり、レム睡眠の時間が増えていきます。

レム睡眠の占める割合は、総睡眠時間の20~25%と言われています。