【前回の記事を読む】“重度自閉症”と診断された5歳の長男…こだわりの強い動きは少なく、アイコンタクトもよかった。だが、突発的な“ある癖”が……
第一章 生命力を支える家族
生きる力
幼児夏合宿
こばとの療育は“流れ”が分かるからなのか、彼はニコニコ顔で通ってきていた。
年長組の夏、初めて幼児夏合宿に参加することになった。
参加幼児は十九人、保護者の同伴なし。専任スタッフ七人、大学生ボランティア三人、付き添い責任者として私が引率する。幼児二人あたりスタッフ一人が引率する。
彼が親を離れての宿泊を理解していたかどうか分からなかったが、出かけることに嬉しそうだった。あっさり親のそばから離れた。
参加の子ども達と両手をつないだスタッフが一列に並んで「行ってきま~す!」の挨拶(スタッフ達の声の方が大きい)をした。
彼も抵抗なくスタッフと手をつないで、列を抜け出すこともなく最寄り駅に向かった。
一日目の活動は順調だった。電車、バスを乗り継いで宿泊所のある広大な森に到着し、森の中で持参のお弁当を食べた。
その後、森の中にあるアスレチックの、長い長い滑り台で汗びっしょりになってたっぷり遊んだ。
宿舎に帰ると、すぐにお風呂タイム。彼は初めてのお風呂にも抵抗なく入り、スタッフにとっては大助かりだった。食堂での夕ご飯も偏食はないようでまあまあ食べた。