血液透析をすることによって、腎臓病末期の透析前のときと違うところは、安静からの解放と食事療法からの緩和だった。
しかし透析後の栄養指導で言われたことは「基本的に食べてはいけないものはありません。ただ食べたいだけ、飲みたいだけをしてしまうと、腎臓で老廃物を除去できなくなっているので気をつけてね」と言われ、4時間透析では除去しきれずに、たんぱく質や水分の制限を厳しくせざるを得なかった。
もちろん大黒柱として働く者にとってはとても辛く、絶えず栄養失調気味で、どんどん痩せていき、身体はげっそりだけど顔は浮腫んでいる状態だった。
特に辛かったことは、2週間に1回の血液検査の結果が出るときで、リンの数値が基準値よりわずかでも上回ると透析室の女医さんから「食べすぎでしょ!」と怒られるとき。
「食べてないです」と言っても信じてもらえず「リンの高いのが食べている証拠です」と言われて、これだけでもかなりのストレスで、検査前は絶食したりして血液検査を受けるのに何故かリンの数値が基準値よりほんの少し高く(このことは後になって分かったことだけど、絶食したからリンが高くなるのだそうだ。食べないでいると骨から血液中にリンを取り込もうとする力が働くのでリンの数値が上がり、骨がスカスカになってしまうから食べないといけない。と、今の長時間透析の病院の先生から教わった)あの頃にこの知識があれば絶食なんてせずに済んだのに……。
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