【前回の記事を読む】人工透析になったら「一生の終わり」…足首が風船のように浮腫み、横になる時間が増え…
【入退院を繰り返す日々】
シャント手術後に痛み止めの薬が切れてくるとものすごく痛かった。シャント血管を成長させるために、手術後からは絶えず、お手玉を固くしたようなものを握ったり緩めたりを繰り返す動作を退院後も何日も続けた。
慢性腎炎という完治しない病気になって長年色々な病院や医師に診てもらううちに重要なことに気付いた。それは、病気は医師だけで治していくものではないということを……
医師と患者本人の両輪で治していくもの。患者も医師任せでなく自身の病気を知り、たとえ完治しなくてもより良く共存していく覚悟で前向きに生きよう!という心もとっても大切だということ。お互いの情報を共有して信頼して病と闘うことが最も大切だと知った。
「ねぇばぁば。クレアチニンとかシャント手術ってなにもの?!」
「あはは。なにものって、クレアチニンってね、血液検査でその数値で腎臓の働きの状態が分かるもので、クレアチニンの数値が高いと腎臓の機能が低下しているということなのよ。シャント手術はね、透析をするために腕の動脈と静脈の血管をつなげる手術なの」
「そうなんだ~。でもどうして動脈と静脈をつなげるの?」
「それはね、注射をするときって静脈に注射するでしょ。静脈は血液の流れがゆっくりだよね。血液透析を簡単に言うと、血管と透析機器を2本のチューブでつないでポンプを使ってダイアライザーという透析器の中に血液を通して老廃物や余分な水分を取り除いて体内に戻すのよ。
静脈のゆっくりした弱い流れでは血液を引けないから流れの勢いの強くて早い動脈とつなげると、つなげた部分の静脈の流れが勢いよくなるから太くて長い注射針で血液を引いてダイアライザーに通せるの。簡単に言うとそういうことかな」
「だからばぁばのシャントの近くの腕を触ると、シューシューってしているんだね」
「そうよ。血液が勢いよく流れているのが分かるね」