新しい学校寮へ

11月30日(金)

●マルタに来て1ヶ月

次の学校寮はどんなところだろう。スタッフのミキさんが昨日新しい学校寮に案内してくれた。その道すがらお話しすることができた。

「1年近くマルタにいてこの街が気に入っています」、そしてまもなく日本に帰国するという。なんとも言えないものがあるようだ。

ミキさんが案内してくれた道はいつも通っている道とは全然違う方角。途中大きなスーパーもあって「通学路」としてはgood!  それに高台で見晴らしが良さそうだ。

そして気に入ったのは何よりマルタの典型的な住宅街で静かなところにあった! 4週目の金曜日が来た! マルタに来て1ヶ月が過ぎた。

そして何とか生きている事が嬉しい。マルタは観光名所。どこに行きましたかと聞かれる。「まだどこにも行っていません」と答えると驚かれる。

でも私にとってこの1ヶ月はマルタで生活する人、民家、車、買い物する人、お店、文房具屋、薬局、夜の繁華街、そこで生き生きとしている人たち、近寄りがたいファッションメイクアップをして格好のよい女をアピールする女性たち、注文したときの店員の応対等々、そして毎日のように走りすれ違う人、脇道に入り映画のシーンに出てくるような街角など、普通の観光ではできない「観光」ができてこれだけで満足していた。

しかしこれに満足せず来週あたりから少しずつ「観光」のために動き始めようかな。

12月1日(土)

いよいよ12月に入った。Iikerは早朝からパリに行った。友人と3人で2泊の旅行という。頻繁に訪れてくる友人ともちろんトルコ語でしゃべりまくっている。

ときには、けんかしているのではという勢いだ。そのIikerがこの部屋に戻るのが火曜日。私は次の学校寮に移っている。12月17日Iikerは最終授業で帰国する。

午後、上の階の日本人女性が帰国のご挨拶に来てくれた。パーティーでギターを弾いて盛り上げてくれたと感謝された。

スイス、フランス、イタリア、韓国の人たちが狭い部屋に20人近く集まり、日本の歌『ふるさと』『乾杯』を日本人みんなで歌った。イタリアの友人が『乾杯』が気に入って、寝る前に聴いているということだった。

日本に帰国する女性に「帰ったらお仕事ですか」とお聞きしたら「これから仕事を探します」ということだった。

きっとこのマルタでの生活と勉強は就職のためにプラスになると思うけれど、きっとそれ以上のものが得られたのではと思った。「元気で帰国できるのが何よりですね」とお別れした。

次回更新は7月31日(木)、21時の予定です。

 

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