第一章 地方分権国家としての隆盛

二.任那(みまな)

任那のまとめ

以上の考察から、次のことが言えると思います。

1 任那は四世紀後半から六世紀の中頃にかけての約二百年弱存在した、韓半島南部の諸小国の、倭国王配下の連合体の呼称。

2 百済・新羅とこれら諸小国家群で、倭国を中心とした同盟関係を作り、高句麗の南進に備えた軍事同盟があった。

3 それら諸国を統括するために倭府(紀では日本府)を安羅に置いた。

4 各小国家には政府機関(官家)を置いて倭府とそれら政府機関に倭国から役人を派遣していた。

5 任那を組織したのは倭の五王の王朝の時代。

6 任那(ニンナ)とは委任した蕃国達という意味で、訓読みのミマナはミ(御・大王の)マナ(可愛い子達)という意味と思われる。