注1)Art は Arts と捉える考え方もあります。〈2-4〉で詳しく述べます。

注2)「工学」ともいわれますが、本書ではエンジニアリングとします(後註47)で詳述)。 しかし、他の用語が漢字2文字で表されているので、統一感を考えたとき、例えば「工」「慮」「操」等……といった漢字を活用して造語を考え出して充てることがあってもよいかもしれません。

注3)例えば、「義務教育段階ではEngineeringについて独立した教科として確立されていない」という指摘(Yata, C., Ohtani, T. & Isobe, M. (2020): Conceptual framework of STEM based on Japanese subject principles, International Journal of STEM Education, 7, 12(https://stemeducationjournal.springeropen.com/articles/10.1186/ s40594-020-00205-8[2022.09.15.14:59. 閲覧]))にもあるように、Engineering を通常の訳語の「工学」(研究社「新英和中辞典 第 7 版」等)として扱うことは、教育の文脈では適切でないことが考えられる。山崎も「我が国での工学教育の対象は、主として高専や大学などの高等教育段階である」(山崎貞登「STEM、STEAM 教育、エンジニアリング教育概念の比較教育からの論点整理」『日本産業技術教育学会誌』62 (3)、2020、pp.197-207.)と述べ、論文中では「エンジニアリング」と表記している。同様に、Engineering の訳語を「エンジニアリング」としたものがある(木村優里・原口るみ・大谷忠「実社会・実生活の問題解決という文脈を導入した STEM 教育型理科授業のデザインに関する研究」『科学教育研究』45(2)、2021、pp.184193.)。このような状況を考慮し、本書においても Engineering の訳語を「エンジニアリング」とする。

注4)STEM 教育においても、我が国の学習指導要領の改訂における議論に一定程度対応し、教科横断的な学習を通した「思考力・判断力・表現力等」や「学びに向かう力・人間性」の育成が目指されていることが指摘されている(松原憲治・高阪将人「資質・能力の育成を重視する教科横断的な学習としての STEM 教育と問い」『科学教育研究』 41(2)、2017、pp.150-160.)。STEM 教育とは Science(科学)、Technology(技術)、Engineering(エンジニアリング)(1)、Mathematics(数学)の各領域の教育を統合して推進しようとする試みである(木村優里・原口るみ・大谷忠「実社会・実生活の問題解決という文脈を導入した STEM 教育型理科授業のデザインに関する研究」『科学教育研究』45(2)、2021、pp.184-193.)。

注5)大谷忠「STEM/STEAM 教育をどう考えればよいか―諸外国の動向と日本の現状を通して―」『科学教育研究』45(2)、2021、pp.93-102.

注6) SoonBeom Kwon, et al. (2011). “The Effects of Convergence Education based STEAM on Elementary School Students’ Creative Personality” Proceedings of the 19th International Conference on Computers in Education. T.Hirashima et al.

注7) 文部科学省初等中等教育局、「STEAM 教育等の各教科等横断的な学習の推進について」https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/new-cs/mext_01592.html[2022.9.10.16.56. 閲覧]

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