1 変化の激しい時代に向けた教育
1-3 本書で取り上げるSTEAM教育
1-3-1 STEAM教育とは
ただし、これらは、産業とも密接に関わっており、国の競争力を強化する上でも、俯瞰的にものを捉えることのできる人材の育成と確保が重要であるとの認識がもたれています(「産業競争力懇談会」令和3年2月12日)。
そうした中でSTEAM教育は「問題発見、課題解決、創造力醸成の要請に応える教育」であることから、そのプラットホーム構築の必要性が説かれています。新聞紙上でも同様の立場から「力を入れるべき」との論説が見られます注1)。我が国に限らず、そうした関心が「各国産業の国際競争力強化であることが多」注2)いといわれます。
「スプートニク・ショック」の頃のように、国や大人の事情を子どもに下ろしてくる側面があるといえますが、本書では、そうした事情は頭の片隅に置きながら、あくまで「子どもたちの未来の幸せのために実践していく」という態度で臨みたいと考えています。
STEAM 教育は、そもそも統合的な発想によって考えられているため、必然的に横断的な「見方・考え方」という発想に至り、現在はそれらを活用する教育方法・カリキュラムの開発にも関心が向くようになっています。