2-2 楽器の奏法について──教える ? 考えさせる ?

〈2-1-2〉では、リコーダーの運指(指遣い)さえ、教えずに考えさせることについて述べましたが、楽器の奏法(音の出し方)について、やはり考えさせるべきか教えるべきか、ということを、改めて考えてみたいと思います。

若い頃の私は、どうやって分かりやすく・楽しく、楽器の奏法を教えるか、ということに腐心していました。ひたすら工夫に明け暮れたものでしたが、それは「教える」という範囲を出ないものでした。

ここでは、シンバルの音の出し方についてみんなで考え、その経験を生かして、同じ打楽器としての手作り太鼓を用いて音色の工夫を交えた音楽づくりの活動を行います。音楽づくり(創作)のために器楽の技能を知識化しながら掴んでいくという活動です 1)

まず、教師がシンバルの範奏を行う(【図6a】参照)。続いて、希望して教壇に上った代表の子どもに「先生と同じ音を出してごらん」と指示し、音を出させる。

その際、聴いている他の子どもは、「もっと強く」とか「角度を変えて」等の意見を述べ、教室が一体となって試行錯誤する(【図6b】参照)。

【図6a】教師によるシンバルの範奏    【図6b】児童によるシンバル演奏

 

次に、曲に合わせて教師がシンバルの音を出し、曲想に合わせた奏法を探る(この展開については、後述)。