子どもたちは、徐々に、この循環小数の数字の並び方には法則性があるということに気づいて、次の問題の答えを予測しながら計算したり、人より速く計算して答えを出したくなったり、様々な形でどんどん計算がしたくなっていき、結果的に計算の技能も向上していきます。

「次は、÷9でやってみたい」「÷13だとどうなるかな」等、何となく割り切れなそうな数にも敏感になってきます。そうした、単に計算練習の数をこなすという「積極性」だけでなく「自律性」を併せもった「主体性」が見られるようになってきます。

では、リコーダーの導入段階について、少し考えてみましょう。以下の事柄を盛り込むことを考えていきます。

・音で自由に表現できる(音楽づくり等)ようになるために器楽(リコーダー)の技能が必要になるようにしつつ技能を高める〈3-1〉

・主体性が育まれるようにする〈5-4-1〉、他

2-1-1 導入時の活動

リコーダーで最初に覚える音は「シ」2)であることが多いです。これは【図2a】でいうところの、0番の穴(裏側)と1番の穴(表側の一番上の穴)を塞いで出す音です。

しかし、私は、0番と2番の穴を塞ぐ「(高い)ド4」から始めることがよいと考えます。理由は、多くの場合、子どもたちがリコーダーを習う直前まで使っている楽器が鍵盤ハーモニカであることが多いからです。

鍵盤ハーモニカは、俗に一本指打法というような、例えば人差し指一本のみを使った弾き方でも、それなりに曲を演奏できます。つまりドのキーを押せばド、レのキーを押せばレの音が出る、指一本で音一つなのです。

しかし、リコーダーは多くの場合、複数の指の組み合わせで一つの音を出す楽器です。鍵盤ハーモニカの感覚が残っている子どもは、【図2a】のような、1の穴も2も3も、人差し指一本で塞ごうとすることにこだわってしまい(【図2b】参照)、最初からつまずいてしまうことがあります。

そんなことはないだろうと思うのは、あくまで既に運指を知っている大人の感覚であって、リコーダーは各指の塞ぐべき穴が決まっている、ということを基礎から子どもたちに理解・定着させるためにも「(高い)ド4」から始めるとよいわけです3)

前置きが長くなりました。あとは以下のように、一般的に見られる指導法ですが、これを丁寧かつ着実に展開します。