ふと見れば、横で一萬が鏑(かぶら)矢(や)と馬の鞭を手にしている。それが、亡き三郎の愛用していた道具類であることに気が付いて、「一萬……それは捨てなければならないのです。死んだ人の物を、幼い者が持っていてはいけない」一萬は「父様の物です――」と首を振る。けれど、子供に不吉なものを持たせるわけにはいかない。何とかなだめて取り上げようと思って、「なりませんよ、一萬、捨てなければ……。お前の父は仏とな…
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