夜になるのを待って、杉井は便所に行くふりをして乾燥場に行った。そこには他人の襦袢袴下がそれぞれ五、六枚干してあった。盗まれた枚数分失敬して部屋に戻り、寝台に潜り込んだが、なかなか寝つけない。盗んできた下着は若干黄ばんだ中古品で班長の代用品にはならない、こんなことでは当番兵として失格の烙印を押されることは必至であり、そうなれば二ヶ月後の検閲で落とされてもう出征だ。そんなことを繰り返し考えているうち…
戦争の記事一覧
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小説『地平線に─日中戦争の現実─』【第25回】前田 隆平
上等兵に勇気を出して報告…「班長殿の下着を盗まれました」
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小説『地平線に─日中戦争の現実─』【第24回】前田 隆平
重い乾草を軽々と肩に載せて運んだら…当番兵に抜擢!
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小説『地平線に─日中戦争の現実─』【第23回】前田 隆平
人目につかずこっそり勉強できる安全地帯が「便所」だった
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小説『地平線に─日中戦争の現実─』【第22回】前田 隆平
妻子ある者…望郷の念が強く、兵としての戦闘意欲が乏しい
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小説『地平線に─日中戦争の現実─』【第21回】前田 隆平
「お前のその質問こそビンタものだぞ」戦地では必要不可欠
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小説『地平線に─日中戦争の現実─』【第20回】前田 隆平
合理性を見出すことができない「絶対服従」な軍隊のやり方
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小説『地平線に─日中戦争の現実─』【第19回】前田 隆平
途中から帯皮やスリッパでビンタを…ナンセンス極まりない
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小説『地平線に─日中戦争の現実─』【第18回】前田 隆平
大きな楼閣の二階から、可愛い遊女たちが手を振っていた。
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小説『地平線に─日中戦争の現実─』【第17回】前田 隆平
古参兵に怒鳴られ、馬に馬鹿にされ、情けなく涙が出る思い
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小説『地平線に─日中戦争の現実─』【第16回】前田 隆平
五日もすると、全員の動きが段々兵隊らしくなってきた
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小説『地平線に─日中戦争の現実─』【第15回】前田 隆平
利発な馬に当たると苦労するぞ。初年兵を馬鹿にするからな。
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小説『地平線に─日中戦争の現実─』【第14回】前田 隆平
古参兵の評価を上げるという情けない目標に向かっての競争
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小説『地平線に─日中戦争の現実─』【第13回】前田 隆平
「舌を出せ」意味はわからなくとも、上官には従うのみ
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小説『地平線に─日中戦争の現実─』【第12回】前田 隆平
これから戦友となる馬「神風」…名札の赤丸は噛み付く印
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小説『地平線に─日中戦争の現実─』【第11回】前田 隆平
汗と油と馬糞と煙草…どの軍服も異様な匂いを放っていた
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小説『地平線に─日中戦争の現実─』【第10回】前田 隆平
入営する2人のために親戚、町内の知り合い約200人が集結
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小説『地平線に─日中戦争の現実─』【第9回】前田 隆平
軍隊のような目的が明確な組織に入ることは望むところだ。
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小説『地平線に─日中戦争の現実─』【第8回】前田 隆平
望んでもいないことを口にする…人間とは不思議な生き物
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小説『地平線に─日中戦争の現実─』【第7回】前田 隆平
「死にたくない」という気持ちの方がずっと大きいと思うの
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小説『地平線に─日中戦争の現実─』【第6回】前田 隆平
親戚や知人から届いたのぼりが20本…大げさで照れくさかった