街を隔てた遠くに海が光って見えていた。街といったって見渡す限り赤茶けた焼野原だ。そこは半年前まできれいな街並みが広がっていた所だ。色とりどりの屋根瓦が、モザイクのように並ぶ家々の間を緑の街路樹に縁取りされた道路が海に向かって伸び、駅舎の時計台や消防署の火の見櫓や公園の観覧車などが玩具のように遠くに見えていた。今それらは何もない。あの一晩の間に降り注いだ焼夷弾と爆弾の雨がその景色を全部変えてしまっ…
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