後ろから突然バットで殴られたような感覚がした。妻との何気ない会話の中で新たに味覚障害と嗅覚障害が判明した。一瞬で心が凍りついた。入院中の飲食も含めて、退院した後私が作って食べさせていた食事や市販の飲み物も、全て何を食べているのか、何を飲んでいるのか分からない状態であったらしい。自傷だから自分が悪いと、妻は自分を責めて一人心に秘めていた。それが悲しくて、悲しくて。孤独の世界に妻を再び置き去りにして…
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エッセイ『朝陽を待ちわびて』【最終回】桜木 光一
落下の衝撃で左脚付け根の骨が右よりも5センチ上にずれていた…「妻を助けてあげてほしい」手のひらに舞い降りた一粒の雪に祈った
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エッセイ『嫁姑奮戦記[人気連載ピックアップ]』【最終回】大野 公子
平成十二年十一月七日、姑は逝った。八十八歳だった。姑の気持ちを察せず、 悪いことをしたと悔やんだ…
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エッセイ『朝陽を待ちわびて』【第20回】桜木 光一
全ては一瞬の出来事だった。バランスを崩し転倒した妻。プラスチックの箱は大きな音を立てて壊れ…
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エッセイ『嫁姑奮戦記[人気連載ピックアップ]』【第19回】大野 公子
長い介護となると実の親子でさえ、ぎくしゃくしてくることもある。ましてや嫁姑間となると…。世の夫族は分かっていないことが多い
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エッセイ『朝陽を待ちわびて』【第19回】桜木 光一
50歳で自傷行為をした妻。受けられる行政支援はほとんどなく、訪問介護サービスを受ける資格もない
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エッセイ『嫁姑奮戦記[人気連載ピックアップ]』【第18回】大野 公子
「息子にまだ嫁さんおらへんねん。うち、心配で死なれへん」と言い出す姑。私は嫁ではなく世話してくれる人と思われていたようで…
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エッセイ『朝陽を待ちわびて』【第18回】桜木 光一
入院時、全身血だらけの状態で救急搬送された妻。それから2カ月…ついに迎えた退院の日
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エッセイ『嫁姑奮戦記[人気連載ピックアップ]』【第17回】大野 公子
「ほんまにうるさい嫁や。うちは元々誰にでもああせいこうせい言われるの嫌いや。黙って自分のしたいようにする」
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エッセイ『認知症になっても愛の二重奏』【新連載】三川 一夫
五十八歳のときに若年性認知症と診断され、言葉にできないほどのショックを受けた妻
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エッセイ『朝陽を待ちわびて』【第17回】桜木 光一
骨盤・恥骨・仙骨を骨折した妻。トイレは1時間ごとに1日24回、介添え付きの日々
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エッセイ『嫁姑奮戦記[人気連載ピックアップ]』【第16回】大野 公子
退院した当日、早速騒動が!「財布がない」と姑が目の色変えて大騒ぎ。夫や娘まで加わり大捜索したところ…
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エッセイ『朝陽を待ちわびて』【第16回】桜木 光一
「母子家庭で苦労をかけた娘。死ぬまで守ってほしい」今は亡き義母からの頼みに月に向かって謝罪した
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エッセイ『嫁姑奮戦記[人気連載ピックアップ]』【第15回】大野 公子
姑と私は交わることのない線路のようなものだ。八十六年の生き方を変えぬ姑と五十九年の生き方を変えぬ私
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エッセイ『朝陽を待ちわびて』【第15回】桜木 光一
「うまく動かないの…」ポツリと漏らす妻。全身の痛みと発熱で気付かなかった左手の骨折。手術が必要な程の重傷だった
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エッセイ『嫁姑奮戦記[人気連載ピックアップ]』【第14回】大野 公子
息子に姑が退院することを伝えると、良かったねと言いながらも「正常に戻るかな」と心配し…
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エッセイ『朝陽を待ちわびて』【第14回】桜木 光一
自宅療養許可の条件は3カ月間24時間介護ができること。妻は泣いて喜んだ
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エッセイ『嫁姑奮戦記[人気連載ピックアップ]』【第13回】大野 公子
このまま寝てくれたらとの願いも空しく、夜11時にけろっと起き、例のごとく動き回る姑。今夜もまた徹夜かな…
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エッセイ『朝陽を待ちわびて』【第13回】桜木 光一
危篤状態から1カ月。「お家に帰りたい…」それだけを願う妻。その身体には不思議なパワーがみなぎっていた
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エッセイ『嫁姑奮戦記[人気連載ピックアップ]』【第12回】大野 公子
「うち、あんたに腹立ってるねん」と突然言う姑。「あんたな、うちがお金取ったと皆に言いふらしたやろ」とえらく怒ってきて…
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エッセイ『朝陽を待ちわびて』【第12回】桜木 光一
「く、く、車椅子に乗れるようになったのですか?」ゼエゼエ言いながら部屋に飛び込んできた1人の若い男性看護師