まあ、ここに座れよと木箱の端に寄って席を空けるマルセルに、久しぶりに再会した大仰(おおぎょう)さは微塵もない。ラフィールが横に腰を下ろすと、やっとマルセルは下から上へ眺め上げ、「大きくなったなあ、お前」と驚いてみせた。「当たり前だよ。三年半も経っているんだよ」「三年半! ほう、そんなに会ってなかったかなあ」マルセルは信じられないという顔だ。オージェに向かうラフィールを見送った記憶はあるが、せいぜ…
ヒューマン・ファンタジーの記事一覧
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小説『ヴァネッサの伝言 故郷』【第13回】中條 てい
ヴァネッサの民が開放されて3年半、プレノワールの領民として生まれ変わろうとしていた村人たち。ただ、扱いは人によって不平等で…
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小説『ヴァネッサの伝言 故郷』【第12回】中條 てい
元々は奴隷の子だったバルタザールを、見どころのある子だと父が拾い上げた。父の息子が自分ではなくて彼であればよかったのかもと…
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小説『ヴァネッサの伝言 故郷』【第11回】中條 てい
――弱気な! なぜ我らがいつまでも下手に回らねばならぬのか! 先ほど交わした父とのやり取りが頭を駆け巡っていたところ…
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小説『ヴァネッサの伝言 故郷』【第10回】中條 てい
鳶色の髪に少し気難しそうな整った顔立ち、立派な身なりのその青年は、バルタザールの姿を見つけると何か物言いたげな様子を見せたが…
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小説『ヴァネッサの伝言 故郷』【第9回】中條 てい
さっきの少年がシルヴィア・ガブリエルの弟か……。あれからもう何年も経ってしまったが、ガブリエルとの出会いを振り返りながら…
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小説『ヴァネッサの伝言 故郷』【第8回】中條 てい
「あいつの血を分けた弟のラフィールですよ!」ああそうか……と頷いてイダがしげしげとラフィールを見つめ…
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小説『ヴァネッサの伝言 故郷』【第7回】中條 てい
兄ガブリエルの恩人である老医者イダのもとへ。扉を開け放つと、皺だらけの老人の顔が覗き「馬鹿たれが!」としゃがれた声で…
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小説『ヴァネッサの伝言 故郷』【第6回】中條 てい
僕らはやっと外に出られるんだ! そう歓喜した日、村を解放するために戻ってきた兄ガブリエルの姿が神々しく、今も心に焼き付いている
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小説『ヴァネッサの伝言 故郷』【第5回】中條 てい
十六歳になったばかりの少年、ラフィール。近寄りがたかった美貌を持つ兄ガブリエルに比べると、親しみやすい表情をしているが…
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小説『ヴァネッサの伝言 故郷』【第4回】中條 てい
十九歳という若さでシャン・ド・リオンの領主となったアンリ。愚鈍そうな風貌の裏で、したたかな計算をし、来るべき時を待っていた
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小説『ヴァネッサの伝言 故郷』【第3回】中條 てい
二百年もの間、誰に知られることもなくひっそり隠れていたギガロッシュの村。ある日突然、この村に八十騎もの兵がやってきて…
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小説『ヴァネッサの伝言 故郷』【第2回】中條 てい
二百年閉ざされていた村に初めての訪問者が来た。この男が、どうしてこの村の存在を知っていたのかと村人の不安は膨れ上がり…
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小説『ヴァネッサの伝言 故郷』【新連載】中條 てい
仮死で生まれ、聡明さと比類な美貌を持つシルヴィア・ガブリエル。その彼が突然姿を消してから三か月。村にはある異変が起こった
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小説『ヴァネッサの伝言』【最終回】中條 てい
夜中寝ていたところ、耳元で声をかけられ…。突然の声に、ひいっと驚きの声をあげてイダは跳ね起きた。「だ、誰じゃ!」…
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小説『ヴァネッサの伝言』【第36回】中條 てい
イダから受ける治療はなかなか苦しい日もあったが、効果が感じられた。「なあ、お前」その晩の治療が終わって、彼が話を切り出した…
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小説『ヴァネッサの伝言』【第35回】中條 てい
「あの者が今日から行方不明になりました」イダの顔がはっとこわばった。「お前、まさか……」
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小説『ヴァネッサの伝言』【第34回】中條 てい
「こ、ここがギガロッシュか!」「怖い! ああぁ、おら怖い!」ペペは手で顔を覆うと恐怖におびえて大声をあげて泣き出した
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小説『ヴァネッサの伝言』【第33回】中條 てい
頼むペペ、どうか約束通り一人でやって来てくれ!……ガブリエルは祈る思いであの男がやって来るのを待っていた
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小説『ヴァネッサの伝言』【第32回】中條 てい
宴の途中で人目を避けて、こっそり大広間を抜け出したガブリエル。警戒しながら彼が向かった先とは…
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小説『ヴァネッサの伝言』【第31回】中條 てい
「マルゴ、あの方とお話がしてみたい」来月6歳を迎えるマルゴ姫の初恋? 彼女の視線を釘付けにした先にいたのは…