宿も決まったし、一息ついたのか弘はポツポツ話し始めた。すずのことは気になったが努めて正直に語った。途中からおばさんは前掛けを目に当てて聞いている。見れば皺は多いものの自分たちとさほど歳は変わらないと感じた。いつの間にか主人もおばさんの横で茶を飲みながら聞いている。『ボーッボーッ』と海の方から汽笛が聞こえた。港はまだ眠っていないのだ。「そうかえ、そうかえ……私たちの息子も十九の歳に釜山(ぷさん)橋…
小説
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