春彦はそんな郁子が大切にしてきたソファーに深く座りなおすと、目頭に手を当てて鼻をすすった。あれから二年の月日が経とうとしていた。春彦の知らない世界に行ってしまった郁子は、その二年間、頑なにそこから戻ってこようとはしなかった。そしてその間、よく熱を出すようになった郁子は、三日前のあの日からいつもよりも高い熱を出していた。春彦にはそれが郁子にとって、どれだけ衝撃的な出来事であったのか、その熱の高さか…
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