その事務所は新の自宅の最寄りの駅から四つ離れた駅から徒歩十分のビルに入っていた。三階でエレベーターを降りると、廊下の両サイドにはドアだけが並んでいて、ホテルの廊下を想像させた。どの部屋も、ドアの外から部屋の中を見ることはできなかった。チラシに書いてあった三〇一号室はエレベーターの目の前の部屋だった。予約した時間の十分前ではあったが、チャイムを鳴らした。「はい」電話のときと同じ声だった。「六時に…
新着記事一覧
-
小説『アフターメッセージ』【第2回】北部 祐和
パパからのメッセージ…『四十九日のあとに』と書かれたDVD
-
小説『浜椿の咲く町』【第29回】行久 彬
【小説】「花火大会」開催に向け二人で寄付集めに出掛けるも…
-
俳句・短歌『歌集 漣の夢』【第55回】上條 草雨
歌集「漣の夢」より3首
-
歴史・地理『受け継がれし日韓史の真実 ─朝鮮引揚者の記録と記憶』【最終回】豊田 健一
8月15日。小学生の父が「玉音放送」を聞いて…
-
エッセイ『女タクシー日記』【第6回】一森 ゆかり
「運転手さんも、ガンバ!」コンビニ店員さんとの心温まる会話
-
ビジネス『管理職魂』【第19回】冠 和宏
「コミュニケーション能力に自信がある人」に注意すべきワケ
-
小説『海が見える』【新連載】西野 民彦
やむを得ず入った公立高校…入学式の翌日に言われた言葉に衝撃
-
エッセイ『窓ガラスが鏡に変わるとき-文庫版-』【第6回】島 至
「少年院のドキュメンタリー番組」に見た、人生の深み
-
小説『駒草 ―コマクサ―』【第18回】水月あす薫(みずきあすか)
【小説】「サクラを助けられなかった」娘の言葉に、冬子は…
-
俳句・短歌『日々、燦々と』【第23回】飯田 義則
歌集「日々、燦々と」より三首
-
実用『もし、アドラーが「しゅうかつ」をしたら 』【第10回】長田 邦博
「私は友だちに大いに好かれた。」有名心理学者の驚きの幼少期
-
俳句・短歌『句集 八ヶ岳南麓』【第12回】浅川 健一
句集「八ヶ岳南麓」より三句
-
エッセイ『安らぎのある終の住処づくりをめざして』【第15回】鈴木 岳
96歳患者「なんだか調子が悪い…」胃カメラの結果に医師驚愕
-
ビジネス『intelligence3.0』【第16回】高木 啓司
「スギ、ヒノキを植えれば必ず儲かる」と言われた時代もあった
-
ビジネス『死体検案と届出義務 ~医師法第21条問題のすべて~』【第47回】小田原 良治
「死体の異常」を伝えなかった医師に下された判決
-
小説『月のいろ』【新連載】今中 浩恵
「わけありシニア」3人のシェアハウスに、突然やってきた親子
-
ビジネス『AFTERMATH』【第19回】ジェームズ リッカーズ,伊藤 裕幸
アメリカの「債務の歴史」…「無謀な経済政策」の恐ろしい全貌
-
絵本・漫画『おしゃべりななち』【第13回】北野 はるた
【マンガ】飼い猫ななち、はじめてのスイカ割りに大興奮!
-
エッセイ『未来なに彩』【第4回】内濵 好信
大卒初任給「月4万円」…今では信じられない団塊世代のリアル
-
歴史・地理『韓国の歴史を直視する』【第3回】徳田 克
高麗の建国と滅亡…「科挙制度」が朝鮮史に与えた影響