俳句・短歌 句集 2021.05.27 句集「八ヶ岳南麓」より三句 句集 八ヶ岳南麓 【第12回】 浅川 健一 八ヶ岳の麓で暮らす医師の、四季折々の俳句集 この記事の連載一覧 最初 前回の記事へ 次回の記事へ 最新 屈強な野火溯る用水路 県境を隔てて畦を焼き合へり ふんだんに渦の泡だつ春の川
エッセイ 『遠い夢の向こうのママ[人気連載ピックアップ]』 【最終回】 かおる 身体中、痣だらけのまま着たウエディングドレス。DV夫が腕につけた痕は、結婚式の写真にもはっきり写っていた。 【前回の記事を読む】DV被害に衝動ODで入院。脳細胞の一部が死滅したらしく、言い返す気力も、考える力も、言い訳する思考力も、どこにもなかった。翌日はとても綺麗な教会で結婚式だったが、私の全身は手のひらサイズの痣だらけだった。ドレスから出ていた腕の痣だけ、結婚式の写真にも写っていた。結婚式自体はスムーズに進み、無事に終わり、その後の旅行は特にひどい喧嘩はせず満喫できた。後から聞くと、新婚旅行直前に…
小説 『サトゥルヌス[注目連載ピックアップ]』 【第18回】 花田 由美子 「撃たれなかった理由は、白人ではないから?」初めての海外出張で、まだ少年のようなゲリラ兵に銃を向けられ… 【前回の記事を読む】「子供預かるから、海外出張行ってくんないかなぁ」出張先は密林の奥地だった。4週間の予定が、8週間に延び…俺はどこにいる?うつ伏せになっているところに潮が満ちて来たらしい。くちびるを濡らす何かを朦朧としたまま飲み込んだ。あまりのしょっぱさに咳き込み、孝一は目が覚めた。眩しい。両腕を支えに上体を起こす。ここは、どこだ。十本の指の間を透き通る水がゆったりと撫でる。心地よいくすぐった…