俳句・短歌 句集 2022.09.13 句集「八ヶ岳南麓」より三句 句集 八ヶ岳南麓 【第76回】 浅川 健一 八ヶ岳の麓で暮らす医師の、四季折々の俳句集 この記事の連載一覧 最初 前回の記事へ 次回の記事へ 最新 暮れぎはの空の群青どんど焼 朝市を一巡したる頬被 冬草やぽつかりと開く住居跡
小説 『サトゥルヌス[注目連載ピックアップ]』 【第12回】 花田 由美子 認知症の母を助けようと下敷きに…お腹の子の上に膝をつき、全体重をかけられた。激痛、足の間からは液体が流れ、赤ちゃんは… 【前回の記事を読む】プロポーズされたのに、言えない…両親に家がないこと。借金まみれで、寮に住み込み、極狭スペースで寝起きしていること。「孝子」父親の声で目が覚める。「かあさんが、いない」孝子は腰かけた姿勢で目を閉じていた。玄関に取り付けた三重の鍵が外れている。一番上の鍵を外すために、お母さんは椅子を移動させたらしい。気がつかないほど熟睡してたなんて。「孝子、いつも悪いね」かすれた弱々しい声が心か…
小説 『飛燕日記[人気連載ピックアップ]』 【第13回】 春乃 夜永 24歳で未経験の彼。「ごめんなさいね、明日早くて」と誘いを断ると、急に様子が… 【前回の記事を読む】手を滑らせながら苦労していると、枕のほうから「失敗したら危ないし、やろっか」おそらく、私が言った「そういう人」を「交際経験のない女性」と解釈したのだろうが、残念ながら男性ばかりの職場だった。みんな童貞だ。近ごろ、私が退勤するのを駅で待ち伏せている二十七歳の先輩もそうだった。学生のころから家の事情で恋愛をしたことがなく、今もまだないと言った時の顔をよく覚えている。少し恥じらいな…