日本の自然と風景
私がお手伝いしている山梨県丹波山村では、さまざまな業種のプロが集まり村の未来を考える「丹波山村未来会議」という活動が続けられていますが、そこでの議論での1つの到達点が、森林資源循環の再生こそが必要であるということでした。
丹波山村未来会議では、さらに進めて森林資源循環を再生するためのさまざまな取り組みを「森林銀行」という活動のもとに集約、組織化していくことになり、令和2年度から本格的に活動を開始する予定です。
森林銀行とは何でしょうか。金融機関を設立しようというわけではありません。建材としての木材を流通させることや、植林事業などの個別事業の名称でもありません。
それは一言で言えば、森林資源を活用するための資源循環を円滑化するための事業創造支援のサービスの名称です。森林の質的な充実と、地域独自の産業活動を結び付けることを目指しています。
今日では森林資源というと、主にスギ、ヒノキの建材としての価値が思い浮かびますが、戦前に目を向けると、建材としても多様な樹種が用いられていましたし、落葉や小枝なども日常生活では大切な資源でした。