Take a bird’s eye view when thinking about things.

大学の部活で、私は800mを走っていました。

当時、私にとって役に立った練習がありました。ひと通りのウォーミングアップの後、走り込みを終えた段階で行ったものでした。本番さながらのレースを想定するのです。

目を閉じて、試合当日、ウォーミングアップを終えた自分が競技場に入るところから想像します。大勢のライバルたちが、体を冷やさないようにジャージ姿にスパイクを持って、スタート地点で待機します。

いよいよ、自分のレースが近づきます。

着ていたジャージを脱いで、スパイクに履き替えたら、周りを少し走って体をほぐします。係員の方にコールされ、自分のコースに着きます。これから、400mトラック2周のレースが始まるのです。

「位置に着いて」の掛け声。少し引き姿勢で止めます。

ピストルが鳴り、第一歩から前にいる走者を見ます。セパレートコースではカーブの遠心力を使ってスピードを上げ、前の走者と並びます。直線で抜き去り、さらに先頭集団を数人でつくります。まだ苦しくはありませんが、後半のスタミナとラストスパートを考えて、まだ飛び出さず、集団の中で走りやすい自分のポジションをキープします。

第2カーブで、前の走者のペースで走るために、目を前の走者の脚に落とし、他人のペースで走ります。300mからの直線も先頭には出ず、前の走者のペースで走ります。鐘が鳴り響き、残すはあと一周。先頭集団のペースに合わせ、600mの直線までは我慢します。