狭い穴から出ると、昼間のような明るさに目がくらんだ。「うわあ」あたしとチビは、三歩前とはまったく別の場所に立っていた。内城に入ったのだ。おびただしい数の松明(たいまつ)が広場の石敷に反射している。まるで、百個のお日さまが生まれてきたみたい。壁から垂れた色とりどりの布。この青むらさきは東村の名高い工房のものだ。ここが内庭。会議や使節との謁見(えっけん)を行うための場所だ。ここでさえ、まだ内城のと…
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