兄の言う通り父は、家が一番貧しい最中に息を引き取ったのです。そんな父を思うと、とてもふびんでした。しかし兄は、充分に親孝行をしていたと思いました。父にとって兄は、誇りであり自慢の息子でした。記憶があいまいになっていましたが、初対面の人に会うと必ず兄の話をして、とても嬉しそうにしていたのです。父は五十六歳でした。父の戒名を今でも覚えています。父の名前の「勝」の一字と、生前の仕事にちなんだように鉱山…
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