三 亀の前の厄難牢主は桜色に染まった女囚の花門に上気した顔を近づけて、赤褌の脇を僅かに広げてクンクンと香りを嗅ぎ、味わうようにチロチロと舌で触れてみると、これはどうしたことか、その入口からは透明な果汁が、強い香りを発して湧き出てきた。吊り上げられた片足を揺らしながら、女は恥も外聞も打ち捨てた諦(あきら)めの表情で、何故か政子に向かって花弁の開門を要求しているようにも見える。牢主が、花門を飾る二葉…
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