第一章 日本経済の分析
アベノミクスの成果
しかし、政府の財政出動に関しては、「所得」に対してのみの効果しかなく、財政出動したからといってけっしてお客さんの数まで増えるわけではありません。また、人口増加政策は継続的な効果が見込める半面、財政出動は政府がお金を使っている間しか、その効果を期待する事ができません。
同様の事は「金利政策」にもいえ、効果があるのは金利を下げた時のみで、その金利に市場が慣れてしまえば、それ以上の効果を望むのはナンセンスです。
このため、財政出動や超低金利政策が中心のアベノミクスでは、リーマン・ショックの時のような短期的な景気対策に対しては、ある程度の効果はあっても、長期的な視点では日本の本質的な問題である少子化対策をおろそかにしてしまったばかりに、経済的に長期的な成長を促す事ができず、財政再建もいまだに果たされてはいないのです。
しかし、これは私個人の意見ですが、安倍晋三元首相は何とか移民を受け入れずに日本の財政と経済を立て直そうと、やれることは全てやったと思っています。しかし結果的に、単なる観光事業の発展(インバウンド増大)だけでは、不足する年金・介護保険料を賄うところまでにはいかず、日本の財政も経済も立て直す事ができませんでした。
つまりこの事は、日本の経済、及び、財政を立て直す議論が次の段階に入ったという事を意味します。もはや、日本の財政と経済を立て直すためには、移民政策を本格的に決断するしか他に方法がないという事なのです。現在の自民党は、彼らに自覚があるかどうかは別として、移民を受け入れないためにやれる事は全てやったのです。