(2)鍛冶内は途方に暮れながらも、やや間をおいて、喉の奥のほうから押し出すように言葉を発した。「なぜそんな他愛もないやりとりだけでわかるんだ? 麦わら帽子に紐が付いてるのは、普通のことじゃないのか?」だがそれには直接答えず、千景は遠くを見るような目をしながら乙音とのさらなる昔ばなしを始めた。匂いが途切れたことに気付いて、蚊取り線香が切れたことをその時鍛冶内は知った。「あれは乙音が中学校に入ったく…
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