【前回の記事を読む】父の死後も私の前では泣かなかった息子。半月後、「サッカーやりたくない。勝手に涙が出て止まらない」と声にならない声で泣き始め…
第1章 ボタンのありか
6 パパのいない日常へ
一方娘は、この時期韓流アイドルグループにはまっていた。『推し活』である。
原宿や新大久保のショップによく行った。車でもずっと聴いていた。ワクワクドキドキしながら、娘は友達の家でオンラインライブを観ては、目をハートにして帰ってきた。
家では、ずっと動画配信サイトで『スカイピース』を観ていた。両方とも私にはよくわからないが、間違いなく、娘を寂しさから救ってくれたのは、私ではなく、彼らである。
本当に、会えるものなら、会って寿司などご馳走して何時間もお礼を言いたい! ありがとうございました!!!!!
私はといえば、とにかくいそがしくしていた。それでも、毎晩眠れるわけもなく、夜はずっと携帯で、千鳥の『相席食堂』を観ていた。毎晩毎晩。
それがきっかけで、『いろはに千鳥』も観た。いつの間にか少し笑っていた。
お笑いってすごい。お笑い好きの私が、その頃読んだ一冊の本は、吉本興業の大崎会長が執筆した『居場所。』。そこには“芸人は覚悟が違う”と書かれていた。
なぜなら、“元手なし、身一つで商売しているから”と。すごく腑に落ちた。
芸人さんて、怖いもんなしのように見えるし、メンタル最強だなーと常々思っていたから。実はそうでなくても、そう見えているってことが、その覚悟なんだと思う。子供たちにもそんな覚悟を持って社会に出て行ってほしい。
パパはどう思うかな? パパもお笑い大好きで、芸人さんを尊敬しているから、きっと同じことを言うよね?
パパの遺伝子なら子供たちは大丈夫か。特に娘はパパに似ている。息子は私かな? ごめん。