【前回の記事を読む】「医療事故」という呼び方が誤解を生む──? 実は、責任追及や訴訟になる事象は「医療過誤」と呼ばれ、「医療事故」とは別物。
第2章 医療事故調査制度の全体像を理解するために
(Ⅰ)医療事故調査制度でいう医療事故の定義とは
(6)この項のおわりに
医療事故調査制度は創設までに10年の歳月を要し、問題の多かった第3次試案・大綱案は歴史の中に消えていった。現制度は、医療事故調査制度の考え方が医療安全の制度にパラダイムシフトし、「医療の内」と「医療の外」を切り分ける考え方を基に出来上がったものである。
現制度は法令でかなり明瞭に出来上がっている。さらに解釈が分かれる部分は医療現場の裁量に任されており、良い制度として出来上がっている。
それでも、医療事故調査制度が創設されて10年になろうとしている今、異論が出ていることは嘆かわしいことであろう。制度定着に問題があるとすれば、センター機能を有する日本医療安全調査機構の広報に問題があると言わざるを得ない。
第3次試案・大綱案は不備な問題の多い案であったから消えていったのである。改正医療法附帯決議に謳われた項目のうち、医療事故調査制度の見直しは、2016年 6月24日に行われた。医師法第21条は、2019年4月24日医政局医事課長事務連絡で解決した。いまだに行われていないのは、「医療事故調査・支援センターの在り方の見直し」である。
本来の機能を果たし得ていない医療事故調査・支援センター(日本医療安全調査機構)の改革は喫緊の課題であろう。