(Ⅱ)医療法人協会ガイドラインが示す医療事故調査制度運用の基本原則
医療事故調査制度運用に際して留意すべき基本原則概要を記載する。常に基本原則を念頭に制度運用を心がけるべきである。詳細は、『医療事故調運用ガイドライン』(日本医療法人協会医療事故調査運用ガイドライン作成委員会編、へるす出版、2015)および『新版医療事故調査制度運用ガイドライン』(小田原良治他著、幻冬舎、2021)を参照されたい。
(1)原則①遺族への対応が第一であること
患者が死亡したときに、迅速にすべきことは、遺族への対応・遺族に対する説明で、センターへの報告ではない。
遺族への対応・説明は、本制度の目的である医療安全の確保そのものとは別であるが、医療の一環として非常に大事な事柄であること、遺族とのコミュニケーション不足が予想外の紛争化を招き、遺族にとっても医療従事者にとっても不幸な事態となることから、医療法人協会ガイドラインにおいてもその重要性を強調している。
厚労省が示した「医療事故に係る調査の流れ」(図2‒3)でも、死亡事例発生後は、本制度の外で一般的に行う遺族等への説明として、本医療制度外で、従来の遺族等への説明をしっかりと行うべきことを明示している。
(2)原則②法律にのっとった内容であること
法律の文言には重みがあり、文言を外れた解釈をすべきではない。特に、国民に負担を課す規定なので、安易な拡大解釈は許されない。「省令」と「通知」について「法律」の内容をある程度補足することはできても、法律の趣旨を変更することはできない。医療事故調査制度に関する省令や通知についても改正医療法の趣旨にのっとり、文言を理解する必要がある。
