(3)原則③本制度は医療安全の確保を目的とし、紛争解決・責任追及を目的としない(図2‒1 基本的な考え方(四病協・日病協合意に基づく概念図))

医療法の第3章「医療の安全の確保」の中に「第1節 医療の安全の確保のための措置」を設けていること、本通知においても「本制度の目的は医療安全の確保であり、個人の責任を追及するためのものではない」と繰り返し明言されていることから、本制度が医療安全確保を目的とするものであることは明らかで、紛争解決と責任追及は目的ではない。

この点は、本制度に関する厚労省のQ&Aでも明確にされており、説明責任や紛争解決の視点で本制度を捉えることは誤解のもとであり、厳に戒められるべきである。

同Q&Aが、本制度の基盤として位置づけているWHO(世界保健機構)のいわゆる WHOドラフトガイドラインは、学習のための事故報告制度と、説明責任のための事故報告制度を峻別しており、両方の趣旨を両立することは困難であるとしている。

WHOドラフトガイドラインは、前者の特徴として、懲罰を伴わないこと(非懲罰性)、患者、報告者、施設が特定されないこと(秘匿性)、報告システムが報告者や医療機関を処罰する権力を有するいずれの官庁からも独立していること(独立性)などが必要であるとしている。

そして、本制度は責任追及を目的とするものではないこと、匿名化を求めていること、第三者機関の調査結果を警察や行政に届けるものではないことから、明らかに本制度はWHOドラフトガイドラインでいうところの学習のための制度で、このことは前述のQ&A(Q1)でも明示されている。

試し読み連載は今回で最終回です。ご愛読ありがとうございました。

 

👉『改訂版 未来の医師を救う 医療事故調査制度とは何か』連載記事一覧はこちら

【イチオシ記事】「妻が僕たちのことに気づき始めているって本当?」 ベッドから上半身だけ起こし、隣に寝ていた妻の親友に話しかけた…

【注目記事】振り向いた彼の胸に手を当てて背伸びし、唇を重ねた――2人きりの店内。妻子のある彼に…

 

ゴールドライフオンライン(GLO)は、表現者を応援するウェブメディアです。
生身の人間が紡ぐリアルな言葉だからこそ、読者の心を揺さぶる力があると確信しています。
あなたも、"表現者"になってみませんか?
ゴールドライフオンライン(GLO)編集部:glo_henshu@gentosha.co.jp