「まぁ、そういうこともありますよ。何か飲みますか?」
「あ、いいですね。そうしましょう」
テーブルの上にあったメニューを開いて、飲み物を頼んだ。
陽はすっかり沈み、街は夜のきらめきに包まれる。頼んだワインを少し飲むと、お酒に弱い2人はほろ酔いになっていた。
「くるみさん、来てください」
ワイングラスをテーブルに置いて、笹川がくるみの手を取りベッドにいざなう。ぼんやり夜景を見つめていたくるみは、自分の鼓動が大きく高鳴るのがわかった。
(いよいよ、ってこと……?)
笹川から向けられた視線に熱が絡んでいる。くるみがベッドに乗って、互いに向かい合う形になる。笹川が優しく髪をなでてくれた。
「怖くないですか?」
「今はまだ、大丈夫です」
その言葉を聞いて、笹川がくるみを抱き寄せる。笹川の匂いと体温に包まれると、笹川に聞こえてしまうんじゃないかと思うほど鼓動がうるさくなった。
「もし、嫌だとか、怖いって思ったらすぐに言ってください」
「……はい」
笹川の言葉にうなずくと、その腕が頭の裏に回り、口づけられる。触れられたところから愛しさが溢れて、どうしようもない。それでも、心の中にはまだ一抹の不安が居座る。
「どうしよう、すごく緊張します」
「僕も同じです」
唇を離して、近い距離で見つめ合う。
次回更新は6月11日(木)、11時の予定です。
【イチオシ記事】目を閉じると、柔らかくて温かいキス…膝が折れそうになった私を彼が支えてくれて「ずっと、こうしたかった」と囁かれ…
【注目記事】彼が舌を滑りこませる直前に離れた。もの足りなさそうな嘆息を漏らす彼。そして今度は私のほうから唇を下ろしていった…
ゴールドライフオンラインは、表現者を応援するウェブメディアです。
生身の人間が紡ぐリアルな言葉だからこそ、読者の心を揺さぶる力があると確信しています。
あなたも、"表現者"になってみませんか?
ゴールドライフオンライン編集部:glo_henshu@gentosha.co.jp