【前回記事を読む】義父への報告なしに結婚式を挙げた。挨拶も兼ねて謝罪しに行くと、予想の斜め上をいく返答…「お前たちは——」
第2灯目 旅の計画と結婚披露宴の準備
『他には、どこへ行ったかな……』
お出汁(だし)が旨(うま)すぎて何度も岐讃(さぬき)うどんを食べた記憶はあるが、どの順番で観光地をめぐったのか…… すぐには思い出せない。
食べ物で思い出してみようとして、栗林(りつりん)公園で食べたソフトクリームが思い浮かぶ。その流れで、階段の上り下りで足がヘロヘロになった金刀比羅宮(ことひらぐう)での参拝を思い出した。列車で徳島駅に着いた時に、駅員さんに起こされたことも思い出した。たしか、夜食は専門店のカレーライスだったよな……。
その翌日は、室戸(むろと)岬灯台を訪問してから最御崎寺(ほつみさきじ)でお参りした。徳島に戻る途中で日和佐(ひわさ)の道の駅で食事をしたと思う。
そして最終日は、高松城址(じょうし)の訪問中にマー君たちが待ち構えていて合流…… 最後も讃岐うどんで締(し)めくくった。
少しのぼせてきたので、冷たい水で顔を洗う。そして冷たい水で絞(しぼ)ったタオルを額(ひたい)にのせた。
『次の旅は、足摺岬灯台と佐田岬灯台がメインだけど……』
すると突然、お姉さんから言われたことを思い出した。
『桜前線のチェックを忘れないでよ!』
そうだった……城めぐりをして花見をしようって言っていたかも……。急に頭の中が活発に働き出し、のんびりしている場合じゃないと気づき風呂からあがる。
風呂から出て着替えると、まずは真彦へメールを送信する。
マー君へ、こんばんは。
披露宴の招待客のことだけど、次の土曜日の夜に会って決めたいの。私は仕事関係と友人の候補をリストにしておきます。マー君も準備しておいてね。
次の四国旅行の準備中です。今から集中して計画を立てるので、返信は明日にしてね。
それじゃ、おやすみなさい。旅モードに突入しかけている……渚より
メールを送信したので、ネット検索を始める。
「えっと、松山城の桜の見頃は……3月下旬からか……日本さくら名所100選なのね」続けて宇和島(うわじま)城の桜について検索する。
「あらっ、宇和島市のほうが開花は早いのね。1週間くらいの差か……順番はどうしようかな」さらに、他の城も検索してみる。
「大洲(おおず)城や今治(いまばり)城も桜が見られるのね……全部行くのって欲張(よくば)りかしら」そうつぶやいてから、さっきから何度も声に出していることに気づいた。
「次は何を確認するんだっけ……」
またしても、自然と声に出している。おばさんに近づいている兆候(ちょうこう)かしら……そんなことを思いながら鉄道の路線図を見る。訪問先を全部決めてからルートをつなげようか。それとも……。次は日本地図を広げて足摺(あしずり)岬灯台の位置を確認する。四国の最南端であり、主要都市から離れているのがわかった。
お姉さんのほうの渚駅からスタートして、足摺岬灯台へ直行するルート……鉄道の場合では、新幹線や特急列車などを利用した場合でも約12時間を要(よう)する。夕焼けの時刻には間に合わず、星空を見ることになりそうだ。
なんとかして明るい時刻にたどり着くには……やはり航空機しかない。名古屋の小牧(こまき)から高知(こうち)空港へ飛ぶ便があるけれど、岐阜(ぎふ)県の渚駅をスタートした場合でも08時10分発の出発便には間に合わない。
それならば、中部国際空港かと考えて検索してみたが、足摺岬灯台に到着するのは鉄道ルートと同じ時刻だった。
「やっぱり、ダメね」
今度も、ため息と一緒に言葉を発していた。