【前回の記事を読む】「だめ、近づかないで」すっぴんを隠そうとしたのに、彼に引き寄せられ…言葉ごと唇をふさがれて――
訳アリな私でも、愛してくれますか
「ちょっと京弥さん、水瀬さんに笑われてるんですけど」
「笑われてるのは礼君の方だと思うよ?」
「誰のせいだと思ってんの……」
ふてくされた顔で文句を言う礼。
「ごめんごめん、なんか吉川君、変わったなぁと思って」
「そうですか?」
「うん、ここ1ヶ月くらい業務連絡以外であんまり話せてなかったけど、なんか雰囲気がちがうというか、年齢相応? っていうか……」
「そっちのほうが可愛げがあって好きですか?」
「え……」
「なら、そうしますけど」
思わぬ言葉に、千春の鼓動が跳ねる。その言葉をどう受け取るかで試されているような、でもそんな気分も悪くないような気もする。
「水瀬さん、俺が違う部署に行くの、寂しいですか?」
「どうだろ。少しは、寂しいかもね」
「ふーん、そっか」
まんざらでもなさそうな礼を見ていると、一方的に言わされたようで千春は抗議した。
「そんなこと言って、そっちはどうなの?」
「俺、違う部署に行くのは寂しいですけど、別に嫌じゃないんです」
「どうして?」