【前回の記事を読む】牛の背中で話す色鮮やかな鳥…旅するキタキツネの子供が出会った“オイラン姉さん”とは

第四章 「4コマイラスト」が生み出した作品の彩り〜イラストレーター「川崎絵里さん」との嬉しい出会い〜

北海道 「キモッペの冒険旅とエトピリカ花魁(おいらん)姉さんの文句タラタラ」

「僕はね。空で輝く太陽さんがどこにいるのか知りたいんだよ。いつも東から出てくるから、住んでるところに会いに行きたいんだ! 東の端まで行くと太陽さんがいるよね?」

「お前はまだ小さいから、世の中の事は何にも知らないんだね。よし分かった。お前が納得するまで東の端まで一緒に行ってやるよ!」

仲良くなれたのが嬉しかったキモッペはオイラン姉さんの飛ぶ方向へ一目散に走りだしました。まるでキモッペも風になびく緑の空を飛んでいるようでした。

 

根室半島はどこまでも草原が続きます。珍しい野生の草花もあちこちにあります。日本で一番早く太陽が昇る納沙布(のさっぷ)岬まで走り続けて、やっと辿り着きました。

岬からは東にも北にも大きな島影が見えました。オイラン姉さんは悲しい事実を伝えます。

「キモッペ、お前はここまでしか来れないよ。この先は翼がないと飛んでいけないよ。太陽は遠い遠い宇宙にあるんだよ。私たちの住んでいる世界は地球といって、とっても大きな世界なんだ。今はお前には難しくて分からないかも知れないけど、お前もこれから一人で生きて行かなくちゃならないよ!」

暫く間を置いて、キモッペの瞳を見つめながらオイラン姉さんは話を続けます。

「私は渡り鳥だから、何千キロも飛んで、地球の環境がどんどん変化していることをよく体で感じることができるんだよね。

地球の気温がどんどん上がっていくことは決して良いことじゃないんだよね。

人間という生き物が次々と石油や石炭を燃やし続ける生活を続けてきたので、空気が暖められて、海の温度まで上がって来て、北極の氷は次々と溶け始めているし、海の水がどんどん蒸発して、雨を降らす雲があちこちにいっぱいできるんだよ。3年前とは随分と様子が変わって来てるんだよ」

摩周湖の傍の巣穴を出て、ここまで旅をしてきて、自分が住む世界が暑すぎることをキモッペも肌身に感じていました。