俳句・短歌 短歌 四季 自然 2026.05.31 【短歌3首】隣家から 伸びる柿の木 手が伸びる 心痛むも 一つもぎ取り 歌集 いのちの名 こころの風景 心の音 【第5回】 出島 美弥子 流れゆく 時、夢、希望 歳重ね 揺らぎなき今 新たな道へと この記事の連載一覧 最初 前回の記事へ 季節の移ろい、遠い日の記憶、明日への希望――私たちのこころの風景に、鮮やかな色を与えることばたち。人生の喜びも苦しみもやさしく包み込む至高の歌集。 ※本記事は、出島美弥子氏の書籍『歌集 いのちの名 こころの風景 心の音』(幻冬舎ルネッサンス)より、一部抜粋・編集したものです。 【前回の記事を読む】【短歌3首】旅をする 迷路のような 見知らぬ地 路地裏占領 猫のお出まし こころに咲く詩うたたち
小説 『記憶のなかで生きる』 【第19回】 厚切りゆかり 母を火葬した。骨壺を抱えて帰宅したとき、家は静まり返っていた。母の部屋に骨壺を置き「しばらくはここで一緒に暮らそう」と伝えた。 【前回記事を読む】「これ以上の延命は苦しめるだけ」と医師に言われ、横たわる母の手を握りながら「お母さん、どうしたい?」と問いかけた。母を火葬した。骨壺を抱えて帰宅したとき、家は静まり返っていた。「ただいま」誰も答えない。「お母さん、帰ってきたよ」誰も答えない。当たり前のことなのに、その静寂が胸を締め付けた。私は母の部屋に骨壺を置いた。遺影を並べ、花を飾った。「お母さん、ここにいてね。しばらくは、…
小説 『僕が奪ったきみの時間は』 【第27回】 小西 一誠 元カノの実家を再び訪ねると、また前と同じ老婆が立っていた。老婆は少し寂しい表情を見せた後、僕を中へ入るよう促して… 【前回の記事を読む】彼は車内で絶望した――元カノの家が近くなるほど心臓が脈打ち、これから訪れる現実を想像すると、吐き気がしてきて……「飴舐める?」ふいにかけられた声に、横を見ると、並んで座る明里さんがカバンから飴を取り出している。「ちょっと楽になるよ」「ありがとう」明里さんがくれた飴はいちご味だった。口に入れると、ほのかないちごの甘味と酸味がちょうどいい具合に広がる。舌の上を転がる飴は、歯に当た…