【前回の記事を読む】神社に突然現れた、灰色の肌の男の子。私の卵子から生まれたと言うその子は、私のことを「お母様」と呼んだ。

サイコ6――怪物の誕生

青木ヶ原訓練所の講堂の演台上に置かれた椅子の上に青竜は鎮座していた。そこへ山口がやってきた。

「西須悠雅が到着しました」

「入ってよい」

ドアが開き、西須が入室した。青竜の前に来ると彼はひざまずき、新総裁に挨拶した。

「君が西須悠雅か。なかなか優れた超能力者(サイキック)のようだね。君に河原賽子が殺せるかね?」

黄金の瞳が疑い深く動き回った。

「もちろんです」

黄金の瞳はそれでも疑わしげに西須を見つめていたが、青竜は言った。

「それは頼もしい。国会議事堂襲撃の際、必ず賽子は邪魔をしてくる。だから奴の気を逸らす必要がある。その役を君に任せようと思うが、どうだね?」

「必ず賽子を仕留めます」

「よろしい。だが、君一人では心許ない。もう一人、刺客をつけるとしよう」

「賽子なら、僕一人で十分です」

「あまり私の母親を舐めない方がいいぞ。それに君にはまだ心の隙があるようだ。超能力(フォルス)を十分に発揮するために必要なのは憎しみの心だよ。それに打って付けの人材がいる」

「あの、失礼ですが」

山口が口を挟んだ。

「一体、誰のことをおっしゃっているんでしょうか。私には心当たりがありませんが」

「八重沢駿矢だ」

「八重沢? あいつは今やただのガラクタです。元々大した能力もありませんでしたが」

「分かっている。だが、私は奴の賽子に対する憎しみの力を買っているのだよ」

山口は唖然として言葉もなかった。

青竜の命により、山口と西須は青竜を地下の巨大倉庫に案内した。内部には各種の武器や兵器が所狭しと並べられており、次世代戦闘機まで格納されていた。

「八重沢駿矢は西須同様、国際超能力研究所から河原賽子と一緒でした。しかし、その時から二人は犬猿の仲で、この訓練所に来てからもお互い激しくいがみ合っていました。そして、賽子が西須と訓練所から脱走を図った時」

この時、山口はちらりと西須の方を見遣った。