【前回の記事を読む】「く、苦しい…」と、カフェで突然立ち上がった男性客…そのまま床に激しく倒れ、痙攣。白目を剥き口から泡を吹き…

サイコ6――怪物の誕生

救急車で救急外来に運び込まれ、ストレッチャーの上で心臓マッサージを受けている患者の顔を見て、救急救命科で研修中の千晶は驚いた。

「鍬下さん? 一体どうして」

救急隊員が状況を説明した。

「カフェで急に胸を苦しがって倒れたそうです。現場に到着した時には心肺停止していたので心臓マッサージと気管挿管を行いましたが、今のところ蘇生できていません」

心臓マッサージを中断すると、モニター心電図は完全にフラットだった。

「ベッドに移して。アドレナリン1A(アン)iv」

その後の懸命な心肺蘇生により、ようやく心拍が再開したが、意識は戻らず、彼は人工呼吸器に繋がれて救急病棟に入院した。病院からの連絡で、小川が慌てて病室に駆けつけてきた。

「鍬下!」

彼はベッド上の惨めな姿の鍬下を見てショックを受けていた。

「警察の方ですか?」

千晶が訊いた。

「警視庁捜査一課の小川です。鍬下の容体は?」

「一命は取り留めましたが、心停止の時間が長かったので、低酸素脳症を起こしていると思います。予断を許さない状態です」

小川は愕然としてベッドによろよろと近づいた。

「鍬下……」