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2 スウェーデン・ストックホルム
「それは素敵なお話だわ。ビルギットさんはどんな方なのですか」
「マルタ共和国の英語学校で一緒に学んだことがきっかけで知り合いました。日本人の平均的な女性よりも小柄だけれど、エネルギッシュでいつも若者に取り囲まれている女性で、年齢も僕より5歳年上です。
彼女は英語に堪能だから『何故あなたはそんなに流ちょうに英語を話すことができるのに英語を勉強するの』と聞くと『私の英語はスウェーデン風英語だから本物の英語を学びたいの』と言うぐらい、とにかく学習意欲旺盛な女性です。
ところで、チピタはサナさんのスウェーデン語を理解しているようにお見受けしたけれど、スウェーデン語がわかるの?」チピタはちょっとためらった感じで
「まあ、少しなら話せます」
「すごいなあ、もちろん英語もできるんでしょう」
「まぁそれなりに!」とチピタは控え目だった。
「ところで、これからの旅についてだけれどもチピタはどんな旅をしたいですか」
「私はいつも気まぐれであまり観光地とか世界遺産とかには興味ないです。変かもしれないけれど世界中の人に興味があり、顕治さんとこうしているのもこの人おもしろい!と直感したからです」
「そうですか! でもチピタもおもしろいね。僕の知る普通の若い日本人女性とは違うね」
「そうですか。そう言っていただきうれしいです。でも顕治さんが書籍も著し、何かおもしろいことをしそうだという私の直感は図星かもしれませんね」
「またまた、そんなことを言われたのは初めてですよ。でもうれしいなぁ、チピタと僕の旅は共通しているよ。僕も決して観光名所に興味ないということはないけれど、とにかく人類(ホモ・サピエンス)にできるだけ多くお会いしたい、できたらお話もしたい。
そんな旅にしたいんだ。人類史を学び、人類がアフリカで誕生したときは多くの種の人類がいたが、現在地球上にいる人はすべてホモ・サピエンスという種のヒトだということを知りました。国を越えた同じ仲間と考えると楽しくなってきました」
「それも素敵だわ」
顕治はチピタとお話ししていくうちに、チピタがきれいな人を超えてお互いに理解し合える親しみのある美しい人に見えてきた。なんという出会いだろう。この出会いを大切にチピタとお互いに満足する旅をしようと心に誓った。