【前回記事を読む】スウェーデンで1人旅中に39度の熱! 病院にたどり着くが人がいない。不安になった私が助けを求めた相手は…
2 スウェーデン・ストックホルム
「それは大変ですね。すぐ病院へ向かいますから住所を教えてください」と反応してくれた。優しい人だ。何のためらいもなく助けに来てくれるというのだ。
まもなくチピタがタクシーで乗り付けてくれた。「顕治さん、大丈夫ですか!」と小走りに近づき声をかけてくれた。「申し訳ない!」と顕治は頭を下げた。日本語で話せる人がいてくれるだけでほっとする。お医者さんに自分の状態を話せるかも不安だった。
1台の乗用車が止まり、足早に顕治たちの方に近づいてきた。そして鍵を開け、女性が入っていった。顕治もチピタと一緒に診察室に入った。顕治は女医さんへの挨拶もままならないがチピタが流ちょうに話している。スウェーデン語は全くわからない。
優しく知的な顔をしたドクター・ブローリンはしっかりと顕治の目を見て、血圧測定から始まり体全体をチェック、基礎疾患の有無など問診後、コロナ感染について検査すると鼻孔に綿棒のようなものを入れた。その後持ってこられた機器を使ったのち「コロナに感染しています」と言った。
即、顕治は言った。「えーっ! 旅を続けてはダメですか」これで旅をストップしなければならないか、そのショックと今のつらさ、不安から逃げることができるならやむなしの気持ちもあった。
ドクター・ブローリンは言った「あなたは基礎疾患がなくて顔色もいいから回復したら続けてもいい。それまで静養しなさい」この間すべてチピタの通訳でしっかりと医師とのコミュニケーションがとれた。このとき旅は止めなさいと言われたら、止めなければならなかっただろう。本当にチピタに来てもらってよかった。
優しい顔に戻ったドクター・ブローリンが「お二人は日本人ですか。私も日本にいつか訪問したいと思っているのですよ。失礼ですがお二人はどんな関係なんですか」
スウェーデン語は全くわからない。すべてチピタの通訳だ。チピタは二人の関係をどのように伝えたのだろうと、高熱でキツいのに顕治は少し気になった。
チピタにこれ以上迷惑をかけてはいけない。コロナへの感染もしている。チピタはサイモンの家までタクシーで送ってくれた。そしてまた連絡するからとお別れした。とにかく話すのもキツい。