【前回記事を読む】「旅にでなさい!」――妻のいないクリスマス、年末、正月はいらない!そして寂しさから逃れるための旅が今、始まる
マルタ共和国3ヶ月の旅
2012年11月1日~ 2013年1月30日
海外への一人旅。初めてだらけの事にぶつかっていった。ふと自分は一人だと寂しさに襲われたが、それよりもしっかり歩いて、周りを見て行動しなければならない自分がいた。
まさにご住職がお話ししてくれた「旅に出なさい!」とはこういうことだったのだ。
機内で偶然見た映画『あなたへ』。今回の自分の旅と重なる。
53歳で妻を失いその遺志「故郷の海に散骨して」を遂げようとする高倉健演ずる刑務官。言葉少なな演技が身にしみる。
ビートたけし演ずる旅人の「放浪と旅の違いは帰るところがあるのが旅ですよ、帰るところを作ればいいんです」。印象深い言葉だ。
机上に妻の写真を置いた。落ち着く。妻と二人分の旅だと思うと少々の困難は乗り越えられそうだ。
マルタ共和国へ
11月1日(木)
いよいよ旅だつ時がきた。超重いスーツケース、ケースが重いギター、リュックを背負い貴重品の入ったウエストポーチ。
ゆとりのない格好だ。東京国際空港まで優しい弟が助けてくれた。二人の娘と友人Wさんも見送りに訪れ、Wさんが梅干しの差し入れをしてくれた。
マルタはユーロ圏。ドイツ・フランクフルトに入国すれば、そこからマルタ国際空港(ルアー空港)までひとっ飛びだ。(約2時間30分)