【前回の記事を読む】『神さまの隣』より詩六篇「許すことでしか変えられない その真実を知っていても やっぱり 僕はうつむいてしまう」
詩
僕と彼女と世界のきらきら
後悔
赤いワンピースに身を包んだあの娘
ふわりとワンピースの裾をひるがえすあの娘
あざやかにちらつく裏地の色がいつまでも僕の心から消えなかった
僕に背を向けて遠ざかるあの娘
夢にまでみたあの娘の存在が僕の前から消えようとしているのに
僕は彼女を追いかけることができなかった
ふとよみがえるデジャヴ 繰り返される後悔
風ではためくあの娘のワンピースの優美なシルエット
光に溶けてゆく赤
美しく手の届かない赤
悔しさで唇を噛んだ僕の心は出口の見えないトンネル道を走った
救い上げてくれるあの娘はもういない