【前回の記事を読む】『神さまの隣』より詩五篇「あざやかにちらつく裏地の色がいつまでも僕の心から消えなかった」

僕と彼女と世界のきらきら

決意のとき

唐突にあらわれた ひとつの影

穏やかな昼下がりの 優しく輝く地上に

くっきりと映る 黒々とした あなたの影

懐かしく 心浮き立つシルエット

わたしは顔をあげて あなたを下から見上げる

太陽を背中に背負っているから あなたの顔は暗くて見えない

 

でも あなたの顔が少し笑った気がする

そう あなたは闇のなかでも微笑んでいられるのね

 

黒々とした影を落とす あなた自身の 暗くて見えない顔

闇のなかにも いのちは息づいていて

目には見えなくても 闇は存在している

世界のあらゆる場所に そこここに

そんな世界でも 生きてゆける あなた となら

決意のわたしは あなたが差しだした手を そっと握った