ふたりの終わり
うつむくあなたの横顔からは
戸惑いの色が読み取れる
同時に あなたがそれを隠そうとしていることも
レース越しに見るあなたの輪郭
わたしに告げた言葉になにを感じているのか
罪悪感 怒り 迷い それとも
いつもわたしに向けられていた笑顔は
そこにはなくて
けれど いつもと同じ赤い頬がちゃんとある
あなたらしさに 安堵するのもつかの間
冷たい激しい雨が ふたりの間を隔てる
あなたの心情を反映するかのような
わたしはすべてを知って立ち去る
離れてしまったふたりに
もうできることはないと悟って
戻れたのなら
戻れたらいいのに あの日に あのときに
目の前が くるくる ぐるぐる 回って
気がついたら あの瞬間に あの境目に 戻れていたのなら
二度と同じことは 繰りかえさないと 誓える
そうなりたいと 強く願っていれば
ほんとうに叶うような気がして
でもそんなの 不確かな要素でしかない
願いが 奇跡を 呼ぶことは ないのかもしれない
もう何度も 目の前をよぎる 蘇る 光景を
ふりだしに 戻そうとする 罪深い 甘えた わたしの意識
は どうやったら おさめられるのか わからないまま
世界とつながることの 残酷さを 噛みしめた