コラム①
ブロークンレコードテクニック
レコードといっても様々な意味で使われますが、ここでいうレコードは、音楽や音声を記録したメディアのことです。レコードは、ちょっとした傷がつくと、同じところを繰り返し再生してしまうことがあります。そのため、壊れたレコードのように、何度も同じメッセージを繰り返し相手に伝えることを、ブロークンレコードテクニックといいます。
対応者が自分の感情を入れず、穏やかに落ち着いた口調で同じメッセージを繰り返し伝えることが、相手の言い分に必要以上に取り合わないというメッセージにもなります。
事例と解決篇
第2章 うちでは対応できない?
1.相談業務のあってはいけない「あるある」
相談業務に携わっていると、「あるところに相談したら、こちらを紹介されたので電話しました」といった具合に、自分が所属する相談機関に、2番手、3番手くらいの順番で行きつく相談者が結構いました。ただ、話を聴くと、最初に相談を受けた機関がもう少し話を聴いてくれていれば、うちまでたどり着かなくても済んだのではないかと思うことが多々ありました。
最初に相談を受けた機関が、然るべき対応力を発揮すれば、相談者に2度手間、3度手間をかけなくて済みます。相談機関も3番手ぐらいになると、「たらい回しにされた」という相談者の怒りを鎮めるところからスタートせざるを得ない、といったことも起こります。
この章には、相談を受けて、「自分の領分ではない」と認識した際、どのような対応が必要なのかを具体的に記載しています。相談者は、意を決してようやく相談できたのかもしれません。そのような状況で、がっかりさせてしまう対応は避けたいものです。
2. 事例を通じて「さて、どうする?」
前章同様に、いくつかの事例について、私が具体的にどのように対応したのか書かせていただきました。やはり、いろいろな考え方がありますので、各事例について述べていることは、必ずしも最善とは限りません。しかし、参考にできる部分もあるかと思いますので、様々に活用していただけると幸いです。